会社や個人事業主にお勤めの方の多くは、「書類を書いて、証明書と一緒に出して」といった感じで用紙をもらい、すでに提出済かと思います。

医療費控除などを受ける予定がなければ、これでおしまい。あとは会社が手続してくれます。

来年6月になると、「住民税の金額が変わるよ」と、給与明細と一緒に紙を受け取り、毎月お給料から差し引かれるか、自宅に納付書が届き、自分で支払います。

このプロセス、意識したことはありますか?

年末調整とは

年末調整とは、

  1. 1年間に支給した給与と、給与から差し引いた所得税(源泉徴収税額)を集計し、
  2. 従業員本人の申告に基づき、年末時点の配偶者や扶養親族の状況、生命保険料控除や地震保険料控除等を反映して、
  3. その年に納めるべき所得税の金額を計算し、
  4. 1年間に差し引いた源泉徴収税額の合計との差額を、追加で徴収したり還付したりして精算する

一連の手続のことをいいます。

ここで精算するのは、あくまで、所得税=国の税金です。

各種申告書

「申告書」とあるように、記載する本人(従業員)が税務署に対して、自分の状況を自己申告するための書類です。

とはいえ、会社を通じて税務署に提出されるわけではなく、会社が書類を保管して必要なときに税務署に見せる、ということになっています。

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書(以下、扶養親族等申告書という。)には、源泉控除対象配偶者、扶養親族、障害者等の状況を記載します。

年の最初のお給料の支給日までに提出する必要があり、提出できる先はメインの勤め先1ヶ所のみです。

これを受け取った勤務先では、この情報に基づき、毎月のお給料から差し引く源泉徴収税額を計算しています。

住民税についても、本来は「給与所得者の扶養親族申告書」という書類を作成しなければならないことになっていますが、事務の簡素化のため、扶養控除等申告書と統合されており、別途作成する必要はない、ということになっています。

こういうところも、国税(所得税)と住民税がごちゃまぜになってわかりにくくなる原因の一つなのではないかと思います・・・。

給与所得者の保険料控除申告書

生命保険料、地震保険料、パート・アルバイトの短時間勤務のため会社の社会保険に加入していない方の国民年金、国民健康保険等について、所得控除を受ける人が記入して提出します。

給与所得者の配偶者控除申告書

配偶者控除または配偶者特別控除を受ける人が、本人の所得の見積額と配偶者の所得の見積額を記入して提出します。

どの会社で年末調整する?

年末調整ができるのは、メインで働いている勤め先のみです。

アルバイトをかけもちしている場合

アルバイトを並行して複数している場合は、すべての勤め先から源泉徴収票をもらい、合計して自分で確定申告する必要があります。

確定申告することにより、給料から多く差し引かれている税金があれば戻ってきます。

中途入社の従業員

転職については、1つの勤め先で働いている(例えばA社からB社に転職、他に勤め先はなし)場合は、転職先に、前の勤め先からもらった源泉徴収票を提出することにより、今の勤め先でまとめて年末調整してくれます。

源泉徴収票が税務署に提出される場合

国税庁の様式を見ると、源泉徴収票は2枚セットで印刷するようになっています。1枚は「受給者交付用」、もう1枚は「税務署提出用」です。

受給者交付用は、会社が従業員に渡すものです。

税務署へは、次の場合に限って提出されます。

受給者の区分 提出範囲
年末調整した人 (1)法人の役員 給与等の支払金額が150万円を超える人
(2)弁護士、司法書士、公認会計士、税理士等(従業員として雇っている場合) 給与等の支払金額が250万円を超える人
(1)または(2)以外の人 給与等の支払金額が500万円を超える人
年末調整しなかった人 扶養控除等申告書を提出した人 退職者、災害等により被害を受けた方 給与等の支払金額が250万円を超える人

法人の役員は50万円を超える人

給与の金額が2,000万円超のため年末調整しなかった人 全部
扶養控除等申告書を提出しなかった人 給与等の支払金額が50万円を超える人

これに当てはまらないものについては、「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」において、総額と人数等を税務署に報告します。

給与支払報告書

地方税法に基づき、給与を支払う人(会社等)が、従業員が住む地方自治体に提出する義務がある書類です。

給与支払報告書の様式は、事務の簡素化のため源泉徴収票と同じですので、源泉徴収票に記載されている情報すべてが地方自治体に報告される、ということです。

源泉徴収票は一定の要件を満たす場合のみ、個別に税務署に提出されますが、給与支払報告書は給与を支払ったすべての人の分が提出されます。

給与支払報告書は1月31日が提出期限です。

地方自治体では、提出された給与支払報告書を名寄せして集計し、住民税や(該当する場合)国民健康保険料を計算します。

この計算が終わって、会社や本人に通知が届くのが5月~6月、というわけです。

源泉徴収票という名の税金計算書

源泉徴収票(給与支払報告書)は小さな紙ですが、給与のみが収入の方の場合、ここに所得税や住民税の計算に関わるあらゆる情報が詰まっています。

源泉徴収票というよりも、例えば、給与所得に係る所得税の計算書、などといった名称の方がふさわしいのでは?という意見もあるくらいです。

「徴収」という言葉は、実際、毎月給与から差し引かれているので間違いではないのですが、自分の税金に関心を持てるような名称にする、というのは良いことではないかと思います。

今日の花

ビバーナム・ティナス(レンプクソウ科、原産地:地中海沿岸)

ブルーの実が特徴的です。初めて見たときには、自然のものなのにパールのような光沢があることに驚きました。茎の赤、葉の緑、実の青。自然の作り出す美しさの不思議を感じます。