給与、あるいは個人に対する一定の種類の報酬を支払う会社や個人事業主は、支払の際に、所定の方法で計算した源泉所得税をあらかじめ差し引き、差し引いた残りの金額を従業員や委託先に支払う必要があります。

これを源泉徴収制度といい、差し引いた源泉所得税は、従業員や委託先に支払った月の翌月10日までに税務署に納めます。

源泉所得税の納期の特例を承認してもらっている会社・個人事業主の方は、上期(1月~6月)に預かった源泉所得税の納付期限が7月10日となります。

6ヶ月分まとまると、金額が大きくなることもあるでしょう。

毎月納付している場合も、納期の特例の申請をしている場合も、もし、源泉所得税を期限までに納められないとペナルティがありますので、注意が必要です。

不納付加算税

不納付加算税とは、源泉所得税を納付期限までに納めなかったことに対するペナルティです。

計算式は次の通りです。

税額×10%

減免される場合

①納期限までに納付しなかったことについて正当な理由が認められる場合→免除

災害等、納付義務のある会社や個人には責任がまったくない場合に限られます。

②次の条件にすべて当てはまる場合に自主的に納付した場合→免除

  • 1年以内に「納税の告知」(税務署から書面で納税を請求されること)を受けたことがない
  • 1年以内に納付のし忘れがない
  • 納期限から1ヶ月以内に納付した

③②に当てはまらないが自主的に納付した場合→5%に減免

端数計算

不納付加算税の計算(税額×10%または5%)結果が5,000円未満の場合は、切捨て、つまり不納付加算税は0円となります。

例1:納めるべき源泉所得税が10,000円、税率5%の場合

10,000円×5%=500円

→5,000円未満であるため、500円全額が切り捨てられ、不納付加算税はかからない。

例2:納めるべき源泉所得税が100,000円、税率5%の場合

100,000円×5%=5,000円

→5,000円以上であるため、不納付加算税5,000円がかかる。

複数回納め損ねがある場合

合計ではなく、1回分ずつについて加算税を計算します。

40,000円を1回、60,000円を1回、納め損ねたものをまとめて自主的に納付した場合(免除には該当しないとする)の計算は、

(40,000円+60,000円)×5%=5,000円

ではなく

  • 40,000円×5%=2,000円→5,000円未満なので切捨て
  • 60,000円×5%=3,000円→5,000円未満なので切捨て

となります。

延滞税

延滞税とは、納期限までに納めなかった税金に対する利息のようなものです。

計算式は次の通りです。率は2019年に納付した場合のものです。

次の(A)+(B)=延滞税の額(100円未満切捨て)

(A)税額(10,000円未満切捨て)×2.6%×日数(納期限の翌日~全額納付した日または2ヵ月を経過する日)=金額(1円未満切捨て)

(B)税額(10,000円未満切捨て)×8.9%×日数(2ヵ月を経過する日の翌日~全額納付した日)=金額(1円未満切捨て)

「経過する日」とは

例えば、7月10日が納期限の源泉所得税の場合、(A)の算式にある「納期限の翌日~2ヵ月を経過する日」は、7月11日~9月10日、となります。

2ヵ月後の同じ日の前の日、と覚えておけばよいでしょう。

納期の特例の取り消し

納期の特例とは

常時10名未満の従業員を雇用する会社や個人事業主については、原則として従業員や委託先に支払った月の翌月10日までに源泉所得税を税務署に納めるところを、1〜6月分、7〜12月分の年2回にまとめて納めることができます。

これを「納期の特例」といいます。

「納期の特例」の対象となるのは、

  • 給与から差し引いた源泉所得税
  • 退職金から差し引いた源泉所得税
  • 弁護士、司法書士、税理士、公認会計士、社会保険労務士、不動産鑑定士、建築士等に対して支払った報酬から差し引いた源泉所得税

のみです。

関連投稿:「源泉所得税と住民税の納期の特例」「報酬・料金を支払うときのこと」

納期の特例の取り消し

納期の特例は雇用する従業員が常時10名未満の場合に認められるものですので、10名以上になれば取り消されることがあります。

また、現在、税金の滞納があり、かつ、滞納している税額を徴収することが著しく困難であるなど、所得税の納付に支障があると認められるような事情がある場合は取り消されることがあります。

現に滞納がある、ということが条件として挙げられていますので、たまたま1回忘れてしまったが後で納めたといったケースであれば、取り消しの心配はありません。

おわりに

ペナルティについてご紹介しましたが、「意外とかからないんだ。安心した。」とは考えないようにしましょう!

源泉所得税は、会社や個人事業主が個人から預かっているお金ですので、責任をもって税務署に納める必要があります。

納期の特例の承認を受けており、6ヶ月分が相当な金額になる場合には、通常の預金とは区別した口座で保管しておくとか、資金繰りを計画するなど、納期限が迫った時に慌てないような対策を考えておく必要があるでしょう。

今日の花

コアラファン(カヤツリグサ科、原産地:オーストラリア)

もふもふの細い葉の集まりに見えますが、細い1本1本が茎で、茎が束になったものが1本の茎にいくつかついている、というものです。言われなければ茎には見えませんね。手前のものには1本1本の先端に茶色い何かが、結構しっかりとついていて、調べても何なのかまったくわからなかったのですが、これが茎なので、種なのかもしれません。どんな花なのか見てみたいです。

編集後記

納税の手段もだいぶ増えてきました。源泉所得税については、金融機関の窓口納付以外では、ダイレクト納付、インターネット・バンキング(ペイジー)、クレジットカードが使えます。このうち一番楽なのは、ダイレクト納付なのではないかと思います。お客様にお勧めしていて、使っていただくと便利さを実感していただけるようです。ダイレクト納付とはいえ、裏でインターネット・バンキングから引き落としすることになるので、e-Taxのほか、インターネット・バンキングの利用可能時間も把握しておく必要があるのに注意です。

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KALDI COFFEE FARM 塩レモンポテトチップス

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