お正月になると思い出すエピソードがあります。今から11年前、2008年のことです。

おかいものクマ(小クマ・干支)

プロフィールにも書いていますが、いい年をして「おかいものクマ」が好きです。

某百貨店の夏と冬のセール(夏市・冬市)の時期に、「おかいもの♪おかいもの♪」の音楽とともにコマーシャルに登場する、あの白いクマです。

それ以前からグッズは販売されていましたが、2008年の冬市から、干支の着ぐるみを着たクマのぬいぐるみを販売するようになりました。2008年はネズミ年ですので、ネズミの着ぐるみをおかいものクマが着ているわけです。

もちろん、

「かわいい!!ほしい!!」

となったのですが、数年前まで、正月休みになると、過労の反動で(気が緩んで?)寝込むというのがお決まりのパターンで、このときも年末から寝込んでしまいました。

そこで、母に頼んで買いに行ってもらうことに。

当時は母も仕事があったため、2008年1月2日、冬市初日の夕方、都内某百貨店に行ってもらいました。しかし、即完売だったようです。

母は、店員さんにその旨を聞いて「ああ、そうですか・・・」とがっかりしたそうです。すると、母の様子を見た店員さんが、「1つだけ」と、売り場の奥からネズミの着ぐるみを着たクマをこっそり持ってきて、母に販売してくださったそうです。

こうして、干支の1番目のネズミクマを手にした私は、以後11年間毎年干支の小クマを買い続け、今年のイノシシクマで十二支が完結しました。

寝込んでいない年は、冬市初日の早朝から、寒風の中、福袋を求める人たちに交じって行列して、手に入れたものです。何年か前からインターネットで事前予約ができるようになり、即日完売になることもなくなったようです。

サービスとは

それにしても、どうして店員さんが「数量限定で完売しました、すみません」と言って母を追い返さずに、こっそり1つ販売してくれたのか、不思議でした。

母本人は「決して、恨みがましくしたり文句を言ったりはしていない」と言っていましたが店員さんにはそういう風に見えたのか、それとも「お孫さんに頼まれたのかな」などと同情してくださったのか(だとしたらこんな年の娘のためで本当に申し訳なかったです)、とにかく奥から1つ、出してくださったのだそうです。

「お孫さん」と思ったかどうかはさておき、おそらく後者、同情してくださったのだと思います。

さすがに、母はごねて迷惑をかけるようなクレーマーには見えないだろうし、母本人も、クレーム対応のために仕方なく売ってやったというようには見えなかった、と言っていました。

商品は、後日、不良品の申し出があったときの交換用に取っておいた予備だったのではないかと推測しています(あくまで私の勝手な推測です)。

もしそうだとしたら、不良品がなければ残る可能性もあるわけで、「残ってしまうかもしれないものなら、今ここにいる、こんなに欲しいと言っている人に持って帰ってもらおう」と、店員さんがその場で判断して、販売してくださったのでは。

そう思っています。

干支の小クマはどれもかわいいので、ネズミクマが手に入らなかったとしても、おそらく翌年から集め始めたと思います。

それでも、ネズミからスタートしているのはうれしいものですし、何より、お正月に干支の小クマが1つ増えるたび、ネズミクマを母に売ってくださった店員さんに、毎年感謝してきました。11年間、思い出さないことはありませんでした。

完売で手に入れることができなかった人から見れば、店員さんの行為は不公平です(11年経つので、時効があるかわかりませんが、お許しいただければ)。ですので、ルールを曲げてあげることが、常に良いサービスであるということではないと思います。

それでも、その場に置かれた状況でとっさに判断して、機転をきかせて応えてくださったことがすごいな、と思うのです。

自分がサービスを提供する側に立つようになって、改めて、このときに受けた「サービス」を考えます。

サービスは、受け手の思いと送り手の思いがぴったりはまると、こんなにも長い間、人の心に残る。

一方で、何かを優遇すれば、傍から見たら「ただのズルじゃん」と言われるかもしれない。ルール違反やモラル違反になってもいけない。

ちょっと「優遇」するのはたやすいことでも、それが重なれば、受け手の側では普通になってサービスでもなんでもなくなり、送り手の側では負担になる。

難しいものです。

だからこそ、その場に置かれた状況で最善の判断ができるように、自分の軸、というか、絶対に譲れない一線、というものを持っておくことが必要だし、重要なことなのではないかと思います。

今日の花

葉牡丹(アブラナ科、原産地:ヨーロッパ)

今日1月7日までが松の内。お正月の定番花材です。青汁でおなじみのケールを観賞用に品種改良したものだそうです。たしかに切るとキャベツの匂いが・・・。クリーム色やピンク色のものもありますが、この濃い紫は、シックでモダンな感じになりました。