大学がクラウドファンディングによって研究資金を集める事例が増えているそうです。

クラウドファンディングとは

クラウドファンディングとは、一般には「新規・成長企業等と資金提供者をインターネット経由で結び付け、多数の資金提供者(=crowd〔群衆〕)から少額ずつ資金を集める仕組み」(出典:内閣府ホームページ)をいいます。

日本では、Makuake(マクアケ)、CAMPFIRE(キャンプファイヤー)、Readyfor(レディーフォー)などのクラウドファンディングサイトが有名です。

資金調達しようとするのは、上記の定義にあるような新規・成長企業や個人から、現在では、地方自治体(ふるさと納税を募る)、大手有名企業(マーケットテストの一手法として)、そして大学(研究資金を募る)にも広がっています。

どこでクラウドファンディングを行っているか?

大学は、上記のCAMPFIRE(キャンプファイヤー)、Readyfor(レディーフォー)などの大手サイトのほか、

  • 研究・教育等関連プロジェクト専門のクラウドファンディングサイト…Otsucle(おつくる)、academist(アカデミスト)など
  • 自分の大学のホームページ

などを利用しています。

「大学 クラウドファンディング」で検索すると、いろいろなサイトがヒットします。

クラウドファンディングの種類

クラウドファンディングには主に3つの種類があります。

  • 寄附型…社会貢献活動などを行う資金を調達するため、寄附を募るもの
  • 購入型…商品開発のための資金やイベント開催のための費用を募るもので、資金を提供した人は、商品やサービスの提供を受けられる
  • 投資型…企業やファンドが資金調達するもので、資金を提供した人は、金利、分配金、株式などを受け取る

大学が研究資金の募集として利用しているのは、寄附型か購入型です。

大学×クラウドファンディングのメリット~大学側

大学は、研究資金をどう集めるかが死活問題です(一部の大手大学はそうではないかもしれませんが)。

クラウドファンディングを利用することによって、広く一般から資金を集められる、というのがメリットです。

大学が事業運営する際の財源には次のようなものがあります。

  • 国等からの補助金(私立大学にもあります)
  • 授業料、入学金
  • 附属病院の収益
  • 公募により獲得する研究資金(競争的資金)
  • 寄附金

国立大学では、国からの補助金は年々減少する傾向にあるうえ、特色のある研究活動を行っている大学に優先的に配分される仕組みが取られています。

少子化により学生数は減少しており、授業料や入学金の増加は望めません。

附属病院の収益はあるといっても、病院そのものの運営のために人件費・経費がかかりますので、他に回すゆとりはありません。

公募により獲得する研究資金には、一定の研究期間内に使いきらなければならないといった制約がある場合があることがあり、公募手続や事後報告も必要で、事務の負担は大きいです。

この点、寄附金は、使用目的が特定される場合はあるものの、いつまでに使い切らなければならないといった制約もなく、比較的自由に使えるお金といえます。寄附金として集まった資金を有価証券等に投資することも可能で(一定のルールはあります)、運用収益を得ることもできます。

大学への寄附というと卒業生から、というイメージですが(そういえば、しばらく前、寄附の依頼が頻繁に来てた…)、クラウドファンディングを使うことにより、卒業生以外の人にも注目してもらうことができ、より多くの寄附金を集められるというメリットがあります。

大学×クラウドファンディングのメリット~資金提供する側

クラウドファンディングを使って大学に資金提供すると、次の要件を満たす場合に、個人は所得税、会社は法人税のメリットがあります。

  • 「寄附型」のプロジェクトへの資金提供であること
  • 寄附先の大学から所定の寄附金領収書を入手すること
  • 確定申告を行うこと

税金のメリットがある対象大学・プロジェクトであるか、寄附金領収書が発行されるかどうかは、大学・プロジェクトにより異なります。税金のメリットを受けたい場合は、プロジェクトの詳細ページ等に、税金のメリットとなることが明記されているものを選ぶのが確実です。

メリットの内容

個人

次のいずれか低い金額ー2,000円を、所得からマイナスすることができます。

  • 寄附した金額の合計額
  • 総所得金額等の40%

所得がゼロの場合(65万円以下の給与収入のみ、事業が赤字など)や多額の寄附を行わない限り、寄附した金額の合計額ー2,000円、のケースが一般的でしょう。

法人

寄附した金額の全額を、所得からマイナスすることができます。

おわりに

クラウドファンディングの場合、寄附型であっても、多くのプロジェクトには何らかの「お礼」がついています。

大学のクラウドファンディングでも「お礼」はありますが、例えば、研究報告書の提供、氏名掲載、グッズの提供、見学会への参加等で、資金提供に対する直接的な見返り(商品提供)ではなく、また、金額的にも「お礼」の範囲にとどまっているように見受けられました。これがエスカレートしていくと、ふるさと納税のように規制されるのでしょうが、その先例があるせいか、そこは慎重にやっているのかもしれません。そもそも研究資金不足を補うためですので過度な「お礼」は出せないという事情もあるでしょう。

大手のクラウドファンディングサイトで特設サイトを利用するにはお金がかかるとのことで、特設サイトを作っているのは、今のところ、やはり少数の大手の大学に限られています。

クラウドファンディングサイトで寄附を集められるようなページ(動画や案内文)を作るにはコツがありますし、労力もかかります。大学の事務負担は増えるとは思いますが、これがきっかけとなって研究に興味を持ってもらい、クラウドファンディングを通さなくても寄附をしてもらえるようになれば、プラスにはなるでしょう。

大学の自助努力が大切、というのはよくわかります。考えなしに税金を投入することによって、経営の不効率が放置され漫然と運営されるのは、決して良いことではありません。

しかし、税金による補助が少なくなることで、事務系の人員削減により研究者が雑務に追われたり、研究を続けられなくなる若手研究者が出てくるような状況も好ましくはありません。

個人的には、教育や研究には税金を使ってもらってかまわないと思うのですが、そのバランスは難しいです。

今日の花

アジサイ(ユキノシタ科、原産地:日本)

ちょうど梅雨明けしたタイミングになってしまいました。ただ、花屋さんでは、比較的長い期間見かけるような気がします。アジサイも、白い花びらのようなものはガクで、中心に見える小さな粒が蕾です。これはかなり大きく、直径約18センチあります。これだけ大きいと枝分かれしている部分でカットする、ということもありますが、前回のフラワーアレンジメントのレッスンでは丸ごと使いました。たまにはそういう豪快なのもいいです。

1日1新
~1日1つ、何か新しいことをする試み

カフェにて紙製のストロー(プラごみ削減ですね)