東京オリンピックまであと1年を切りました。

オリンピックといえば「参加することに意義がある」という言葉が思い浮かびます。

「オリンピックで重要なことは、勝つことではなく参加することである」

近代オリンピックの父と言われるクーベルタン男爵の言葉として有名ですが、実は、英米両チームのあからさまな対立により険悪なムードだったロンドン大会(1908年)中の日曜日、礼拝のためにセントポール大寺院に集まった選手を前に、主教が述べた戒めの言葉だったそうです。

「オリンピックの理想は人間を作ること、つまり参加までの過程が大事であり、オリンピックに参加することは人と付き合うこと、すなわち世界平和の意味を含んでいる」と考えていたクーベルタン男爵はこの言葉に感動し、イギリス政府主催の晩餐会でこの言葉を引用し、「人生にとって大切なことは成功することではなく努力すること」という趣旨のスピーチを行いました。以後、オリンピックの理想を表現する名句として知られるようになったそうです。

(公益財団法人日本オリンピック委員会ホームページ(HOME>オリンピズム>クーベルタンとオリンピズム[URL:https://www.joc.or.jp/olympism/coubertin/])より、2019年8月26日閲覧)

いけばなを習い始めて1年10ヵ月。研究会という月1回のテストに出席し始めてちょうど1年経ちました。

研究会は、出席し始めのほんの数回は、無心・無欲だったためかビギナーズラックか、良い成績が続いていたのですが、ここ最近は、まったく納得のいく出来にならなかったり、出来に納得はいっても逆に成績は悪かったりと、出席するのが徐々に苦痛になってきました。

研究会の前には、課題と同じ花材・同じ花型で練習をします。課題は、今のところ自分がすでに習った花型であり、復習という意味で大切ではあるのですが、月2回のうちの1回を研究会の練習に充てると、新しい花型をなかなか覚えられません。

他の方の作品を見たり、講師の先生の講評を聞けたりするプラス(進級が早くなりますが、腕前がついてくるわけではないので、私はプラスとは思いません)と、研究会の練習や当日に割く時間やお金(会費も花材費も余分にかかります)やストレス、新しい花型がなかなか進まないというマイナスとを天秤にかけ、こんな思いをしてまでも参加することに意義はあるのだろうか、もうやめちゃおうかな、と考えたりしていました。

そんな思いを持ちながら出席した今月の研究会。

終わった後、もういつものように、というくらい、自分にがっかりしながら採点を待っていると、近くから、年配の方どうしの話し声が聞こえてきました。

花材の状態が悪くてきれいに仕上げられなかった、というようでしたが、「でもね」、と。

「参加することに意義があるのよ」

「そうそう」

まるで私の疑問に答えるかのような言葉が出てきたことにも、こんな先輩(大先輩?)でもそう思うのかということにも、びっくりました。

継続すること。

花材(や自分)がどんな状態でも、そのときのベストを尽くすこと。

研究会に参加しなければ、どちらも得ることはできない経験であり、学びです。

その積み重ねがいつか何かになる(かもしれない)から、参加して、努力することに意義はある、のでしょう。

一方で、続けたところで華道家になれるわけでもない、先生になれるわけでもない、何を成せるわけでもないのだから、研究会なんて出なくてもいいじゃないか、と思う自分もいます。

だからといって、その、何を成せるわけでもない凡庸な自分に折り合いをつけたうえで、ただ続けるということがそれほど簡単ではないことも、10年以上、何を成すこともないままフラワーアレンジメントをただ続けている自分には、痛いほどわかります。

答えはすぐには出ません。

「参加することに意義がある」

人生と生け花の先輩の言葉を胸に、もう少し、研究会は続けてみようと思います。

お家元(若くてイケメン)にも会えるし、ね。

今日の花

ライスフラワー(キク科、原産地:オーストラリア南東部)

つぶつぶは蕾で、白い花が咲いてきます。かさかさしていて、ほぼそのままの状態でドライフラワーになります。ワイルドフラワーと総称される植物の一つで、とても丈夫です。見た目があまり変わらないため、つい放っておきがちになってしまうのですが、ふと見ると葉の新芽が出てきていて驚きました…。

編集後記

8月に入り、諸事情からブログを休んだり、今は、平日毎日から週3回に回数を減らしています。諸事情とはいえ、確定申告の時期にも続けたのですから、続けて続けられないことはないのだとは思います。ただ、そこまで悲壮感を持って続けても誰の得になるのだろうと、少し自分を甘やかしてみることにしました。「参加することに意義がある」、には逆行するかもしれませんが…。