日本マクドナルド株式会社のサラ・カサノバ社長が3月に退任し、会長に就任するとのことです。
経営の立て直しのために就任するも、就任早々、鶏肉問題や異物混入などが発生しました。社長の対応にも随分批判があったように記憶しています。
元々マクドナルドはあまり利用していませんでしたので、それほど興味を持っていたわけではありませんが、異文化の中で、しかも女性で、さぞ大変な思いをしているのではないだろうか、と思っていました。
その後は自ら店舗に足を運び、店舗改装やメニューの工夫なども功を奏して経営は回復しました。自宅近くのマクドナルドには、いつ通りがかっても行列ができています。
カナダ出身で、ロシアやトルコでも手腕をふるったという経歴から、女性の社会進出を含むダイバーシティについて、シンポジウムなどに登壇される機会もあるようです。
そんなカサノバ社長のインタビュー記事を昨年10月に読みました(NIKKEI STYLE 私のリーダー論「チャンスが来たら絶対『Yes!』」ライター猪瀬聖 2018年10月11日)。
とても心に残って、いつかブログに書きたいと思っていたのですが、なかなかうまく表現できずにいました。
今日は、がんばって書いてみようと思います。
女性への励ましの言葉
カサノバ社長がシンポジウムや女性社員向けの社内イベントで話をする際、必ず言うことがあるそうです。
「必ず『Say yes to every opportunity.』と言って、女性たちを励まします。チャンスをもらったら絶対にノーと言うなという意味です。」
出典:NIKKEI STYLE 私のリーダー論「チャンスが来たら絶対『Yes!』」ライター猪瀬聖 2018年10月11日
ご自身がそうしてチャンスを掴み、キャリアアップされたからだそうです。
「キャリアというものは必ずしもまっすぐには進みません。どちらかと言えばジグザグに進むことが多く、最終的にどうなるかは本人にもわからない。(中略)だからこそ逆に、与えられた目の前のチャンスを生かすことが大切なのです。」
出典:NIKKEI STYLE 私のリーダー論「チャンスが来たら絶対『Yes!』」ライター猪瀬聖 2018年10月11日
私自身の人生もたくさんの紆余曲折を経て今に至ります。
「チャンスを掴みとる」というほど積極的に進んで来たわけではないので、今でも迷うことはたくさんあります。
ただ、そのときそのとき、自分が置かれた状況の中で、「後悔しない」と思える生き方を選択してきたつもりです。
この部分を読んだとき、こんなすごい方でも「キャリアはジグザグに進む」と思っておられるのだと、共感したというか、ほっとしたのを覚えています。
ロールモデルは作ればいい
女性の管理職が少ない理由の一つに「ロールモデルがいない」ということが言われます。
たしかに、そうだと思います。
いないというよりも、活躍している女性の上司が身近にいたとしても、そういう人は、能力があって、人としても素晴らしく、さらには育児や家事と仕事をきっちり両立している。自分がどんな努力をどれくらいすればそこにたどり着けるのか想像もつかなくて、自分とはかけ離れた程遠い存在に思えてしまう。
そういうことではないでしょうか?
でも、その方だって、おそらく最初からそれができたわけではないのだろうと、今なら思います。
目の前の仕事や、与えられたチャンス、時には、こんなはずじゃなかったと思うような仕事にさえ、誠実に向き合って、試行錯誤しながらそこにたどり着いたのではないかと思います。
やりがいのある仕事がしたくても、家族、社会制度、周囲の目、社内の空気など、女性にとってのハードルはまだまだ高いと思います。女性が必ず女性の味方をしてくれるわけでもありませんからね。
でも、動いてみたら、もしかしたら、何か突破口があるかもしれない。本当にやってみたいと思うことなら、動く前に諦めるのはもったいない、「Yes!」と言ってみるべきだと思います。
ロールモデルは1つだけではありません。自分に嘘をつかずに、後悔しない生き方ができれば、それも1つのロールモデルになるのではないでしょうか。
チャンスに「Yes!」と言えるように
そうは言っても、自分自身、新しいことにチャレンジするのはこわいです。
ひとりで仕事をするということは、すべてのリスクを自分が負うということです。リスクには仕事の失敗だけではなく、女性だからこそのリスクもあると思っています(いい年してと笑われるかもしれませんが)。
そんなことまで考えなければいけないのは正直面倒くさくて、「安定した仕事だけしたらいいじゃん」とささやく自分がいます。
でも、長年付き合ってきた自分を顧みると、そういう安定には安住できない人です。
だから、「チャンスが来たら絶対『Yes!』」という生き方はものすごく好きだし、自分もそうありたい、そうでなくちゃ自分じゃない、とすら思います。
チャンスに「Yes!」と言うためには、まずは、引き込もらずに、チャンスを呼び込める生き方をすること。
チャンスの中のリスクを見極められるようになること。
なるべく準備をすること。仕事や知識の準備は、完璧にはできないだろうから、せめて、体力と少しのお金と、人とのつながりを。
いつでも新しいことにチャレンジできる、チャンスに「Yes!」と言える自分でいられるように、毎日を積み重ねていきたいと思います。
今日の花
ガーベラ(キク科、原産地:南アフリカ)
黄色やオレンジ色の花は(花に限らずかもしれませんが)「ビタミンカラー」で元気が出る、などと言われます。なぜかあまり好きな言葉ではないのですが、今日のテーマには「ビタミンカラー」もいいかな、と思ってこの花を載せました。