個人事業で確定申告を行う方は、3月(または4月)に国へ所得税を納めたのち、6月に、地方税である住民税の納付書が届きます。

地方税には、このほか、事業税、固定資産税、自動車税などなど、様々なものがあり、いずれも賦課期日(いつが課税の基準となるか?)や経費になるかどうかなどの取扱いが異なります。

個人事業でなじみのある主な地方税について取り上げてみようと思います。

個人住民税

概要

その年の1月1日時点で住民票のある自治体に支払う税金です。都道府県民税と市町村民税がありますが、通常、一括して納付します。

課税対象

課税の対象となるのは前年の所得です。今年納める住民税については、昨年平成30年1月~12月の所得に対して課税されます。

個人事業の方が確定申告すると、税務署から住民税を賦課する自治体に確定申告書が回付されます。各自治体では、確定申告書の内容に基づき、住民税の計算を行います。

税率

都道府県民税6%、市町村民税4%の合計10%です。所得税のように累進税率(所得の金額が高くなるほど税率が高くなる)ではなく、所得金額にかかわらず一律です。

納付の方法と納期

納付の方法には、「普通徴収」と「特別徴収」がありますが、個人事業の方は、6月に納付書がご自宅に届き、自分で支払う「普通聴取」です。年4回に分割もしくは一括で支払います。

年4回に分割の場合の納期限は、それぞれ6月末、8月末、10月末、翌年1月末で、一括で支払う場合は6月末です。

経費になる?

住民税は経費になりません。

事業税

事業を営む都道府県に支払う税金です。

事業税が課税される業種は地方税法で70業種、定められています。70業種というと少なく感じられるかもしれませんが、「物品販売業」「飲食店業」「請負業」といったおおまかなくくりで定められていますので、事業所得がある方は、いずれかの業種に当てはまると考えておく方がよいです。

課税対象

課税の対象となるのは前年の事業所得です。今年納める事業税については、昨年平成30年1月~12月の事業所得に対して課税されます。

住民税のところで記載した通り、個人事業の方が確定申告すると税務署から事業税を賦課する自治体に確定申告書が回付され、各自治体において、確定申告書の内容に基づき、事業税の計算を行います。

税率

税率は、70業種の業種別に3%、4%または5%に定められていますが、上に挙げた「物品販売業」「飲食店業」「請負業」を含め、ほとんどの業種は5%です。

納付の方法と納期

8月に納付書がご自宅に届き、自分で支払います。年2回の分割納付で、納期限は8月末と11月末です。

経費になる?

支払った年の必要経費になります。

償却資産税

概要

その年の1月1日時点で固定資産を所有する市区町村に支払う税金です。複数の市区町村(例えば大田区と品川区)に事業所(店舗等)があり、固定資産を所有する場合は、それぞれの市区町村(大田区と品川区)に支払います。

課税対象

課税の対象となるのはその年の1月1日時点で所有する固定資産の金額です。固定資産の金額は、所得税法の計算とは異なりますが、毎年減価償却されて小さくなっていきます。

償却資産税の対象となる固定資産は、会計上「有形固定資産」に分類されるもののうち、土地、自己所有の建物、一部の車両等を除くものです。

店舗等のために賃借している建物に内装を施している場合は、勘定科目は「建物」としている場合もあると思いますが、これは償却資産に該当します。

申告書を提出する

償却資産税については、自ら申告書を作成・提出し、固定資産を所有する市区町村に申告書を提出する必要があります。申告期限は、毎年1月31日です。

税率

税率は1.4%です。

償却資産税には「免税点」というものがあり、固定資産の金額(課税標準)が150万円未満の場合には、課税されません。

また、生産性向上に寄与する一定の償却資産については、時限的な減免制度もあります。

納付の方法と納期

6月に納付書がご自宅に届き、自分で支払います。年4回に分割もしくは一括で支払います。

年4回に分割の場合の納期限は、東京23区では、6月末、9月末、12月末、翌年2月末で、一括で支払う場合は6月末です。

経費になる?

必要経費になります。

また、償却資産税を必要経費に算入する時期は、所得税法上、「賦課決定のあった年分」、つまり納税通知書を受け取った年です。つまり、納期限が翌年2月末の分も「未払費用」として必要経費にします。

ただし、納期限が到来する年である翌年や実際に支払った時に必要経費にすることもできます。

調査がある!

償却資産税については、市区町村による調査が行われることがあります。

選定基準は不明ですが、まずは書面で固定資産台帳の提出を求められます。そこで、固定資産台帳の内容と償却資産税の申告内容との間に齟齬(通常、償却資産税の申告の漏れ)が判明すると、遡及して課税されます。

書面の調査に対応しなかったり、書面だけでは不明点がある場合は、実地の調査もあるようです。(書面の調査の経験はあるのですが、実地の調査は経験がありません。)

思いのほかボリュームが出たので、次回に続きます。

今日の花

チューリップ(ユリ科、原産地:中央アジア・北アフリカ)

これは切り花ですが、球根つながりということで、再びチューリップです。買ってきたのは固い蕾の状態でしたが、家で開花しました。シンプルな赤のチューリップのかわいさを改めて見直しました。