来年のG20サミット(「金融・世界経済に関する首脳会合」)は、発足以来初めて日本で開催されます。

G20サミットというと政府首脳による会議であって、私たちからは遠い存在に思えます。しかし、G20サミットにあわせて、「エンゲージメント・グループ」という民間団体が組織されており、それぞれが主催する活動が行われることをご存じですか?エンゲージメント・グループによっては、一般参加が可能な対話集会などを開催するものもあります。

G20サミットとは

G20サミットとは、G7(仏、米、英、独、日、伊、加、欧州連合(EU))に加え、アルゼンチン、豪、ブラジル、中、印、インドネシア、メキシコ、韓、露、サウジアラビア、南アフリカ、トルコ(アルファベット順)の首脳が参加して毎年開催される国際会議です。

リーマン・ショックを契機に発生した経済・金融危機に対処するため、従来のG20財務大臣・中央銀行総裁会議を首脳級に格上げし、2008年11月、ワシントンDCで第1回サミットが開催されました。以降、2010年まではほぼ半年毎に、2011年以降は年1回開催されています。

2019年のG20サミットは、G20が発足して以来初めて、日本(大阪市)で開催されます。

G20サミットの主な議題は、発足当初の経緯から、基本的には経済分野です。近年では、これに加え、世界経済、貿易・投資、開発、気候・エネルギー、雇用、デジタル、テロ対策、移民・難民問題等の議題が取りあげられています。

(参考:「G20サミットに関する基礎的なQ&A」(外務省)(https://www.mofa.go.jp/mofaj/ecm/ec/page25_001040.html)(2018年12月11日閲覧))

エンゲージメント・グループとは

エンゲージメント・グループとは、G20サミットの議題にかかわる7つの分野について組織される民間・非政府のグループです。

G20サミットに先立ち、各グループが関連する重要課題を議論するための会議を開催し、意見を取りまとめ、G20サミットに反映するよう議長国の首脳に提言を提出します。

これらの提言に拘束力はありませんが、G20サミットでの議論や交渉に当たり考慮され、政策決定プロセスに貢献しています。

7つのエンゲージメント・グループ

B20(Business 20)

各国の商業団体、経営者団体などが参加し、G20の主要課題である経済分野についての会議、提言を行います。

来年行われる日本でのB20サミットは、「Society 5.0 for SDGs」を全体テーマとして、経団連が主催します。

(参考:「B20ブエノスアイレス・サミットに隅副会長が参加(週刊経団連タイムス2018年10月18日No.3381)」(経団連)(http://www.keidanren.or.jp/journal/times/2018/1018_04.html)(2018年12月11日閲覧))

C20(Civil 20)

保健、教育などの社会開発、反汚職、資金フローなどの問題、貧困・格差問題などにかかわる市民団体から組織されます。

日本でのC20サミットは、日本の地域別・テーマ別のNPO/NGOのネットワーク団体の参加を得て設立された「2019 G20サミット市民社会プラットフォーム」が主催します。

(参考:2019 G20サミット市民社会プラットフォームホームページ(http://www.civil-20.jp/)(2018年12月11日閲覧))

L20(Labour 20)

各国の労働組合や国際労働組織などが参加し、賃上げ、移民・難民労働者に関わる課題、気候変動に関する労働組合としての取り組みなどについて議論します。

日本でのL20サミットは、連合が主催します。

(参考:「中根外務副大臣に対し「2019年度 連合の重点政策」について要請を実施(連合ニュース2018年6月12日)」(連合)(https://www.jtuc-rengo.or.jp/news/news_detail.php?id=1386)(2018年12月11日閲覧))

S20(Science 20)

各国の学術団体などが参加し、これまでに、生活習慣病・感染症への取り組み、食の安全などの課題について議論されています。

日本でのS20サミットは、海洋生態系への脅威と海洋環境の保護をテーマとして、日本学術会議が主催します。

(参考:サイエンス20(S20)ホームページ(http://www.s20japan2019.org/)(2018年12月11日閲覧))

T20(Think 20)

G20各国のシンクタンク関係者などから構成される、G20の「アイデア・バンク」として位置づけられるグループです。

日本でのT20サミットは、国際金融、デジタル時代の教育・仕事、貿易・投資などをテーマとして、アジア開発銀行研究所(ADBI)、日本国際問題研究所、国際通貨研究所がの3団体が共催します。

(参考:T20の日本のホームページ(https://t20japan.org/)(2018年12月11日閲覧))

W20(Women 20)

女性の能力開化、ジェンダー・ギャップの解消などについて議論します。

日本でのW20サミットは、各界で活躍する女性起業家・研究者などが実行委員となって組織された「W20 Japan」が主催します。

(参考:W20 Japanホームページ(https://w20japan.org/)(2018年12月11日閲覧))

Y20(Youth 20)

各国を代表する、研究者、官僚、学生などさまざまな立場の若者(30歳以下)が、若者に関する国際問題の解決について議論します。

日本でのY20サミットは、2008年以降、G8(G7)/G20サミットに合わせて各国で開催されるYouth Summitに日本代表団を派遣してきた「G7 / G20 Youth Japan」が主催します。

(参考:G7 / G20 Youth Japanホームページ(https://www.g7g20youthjapan.org/)(2018年12月11日閲覧))

W20のイベントに参加して

エンゲージメント・グループについての認知度は、まだまだ低いのではないでしょうか。今回、この記事を書くに当たりホームページを検索したのですが、エンゲージメント・グループを主催する団体の公式ホームページにたどり着くまでに、なかなか苦労しました。

とはいえ私も、先日、ご縁があってW20のあるイベントに参加させていただくまで、エンゲージメント・グループの存在や意義は知りませんでした。

イベントでは、女性起業家の方のお話を伺い、自分も起業家(個人事業主という意味で)に入るものの、組織を率いる立場にある方とはまったく違うなと思いました。

また、起業家として生きておられるからこそぶつかる社会の壁をクリアしようとする熱意には、敬意を抱きました。自分は戦わずして、逃げたというか諦めたというかだったな、と。

誰しも同じようには生きられないので、それがいいか悪いかは別だと思います。

ただ、今、税理士をしている自分の立場をもってすれば、社会に向かって動き出したいと思っているけどやり方がわからなかったり、制約があったりする方、~例えば、女性はもちろん、病気の治療をしながら働きたい方、介護をしながら働きたい方(女性が多いかもしれませんが)など~、のために、何かできることがあるかもしれない、と思いました。

C20、W20、Y20(Y20は年齢制限あり)では、来年のサミットに向けてこれからもイベントが開催されると思います。ご興味のある分野があれば、探してみてはいかがでしょうか。今までより、G20サミットを身近なものとして考えられるようになるのではないかと思います。

今日の花

バラ(カタリーナ)(バラ科、原産地:ヨーロッパ等の温帯)

直径6cmくらいの花なのにスプレー咲き(1本から枝分かれして花が咲くもの)というのが驚きです。たくさんの花びらがつまっており、見ていて飽きません。