引き続き、個人事業を法人化すると何が変わるかをご紹介していきます。

源泉徴収

所得税法で定められた一定の種類の金銭(給与、退職金、報酬、料金など)を支払う場合、支払人は、あらかじめ税金を差し引いて受取人に支払い、(課税される)受取人に代わって、差し引いた税金を納める必要があります。この仕組みを源泉徴収制度といいます。

また、それぞれの所得のうち源泉徴収の対象となるものが、限定列挙で明示されています。

源泉徴収すると定められている所得を支払う者のことを、源泉徴収義務者といいます。

上の例でいうと、

  • 給与、退職金→給与、退職金を支払う雇用主
  • 報酬、料金→業務等の委託者

が源泉徴収義務者となります。

法人は、法人であることをもって必ず源泉徴収義務者となり、例外はないのに対し、個人は、次のいずれかに当てはまる場合は源泉徴収する必要はありません。

  • 常時2人以下のお手伝いさんなどのような家事使用人だけに給与や退職金を支払っている人
  • 給与や退職金の支払がなく、弁護士報酬などの報酬・料金だけを支払っている人

例えば、顧問税理士に対する報酬の支払いは源泉徴収が必要になります。

会社が顧問税理士に報酬を支払う場合は、必ず源泉徴収が必要になります。

個人事業主の場合は、

  • 従業員を雇っている方→源泉徴収必要
  • ご自身のみで仕事をしており給与を支払っていない方→源泉徴収不要

という違いがあります。

消費税

消費税の課税事業者になるかならないかは、2期前の課税売上高が1,000万円を超えているかどうかで判定します。

この点に法人と個人で変わりはありません。

ただし、事業年度の途中で開業した場合、法人は売上高の年換算をするのに対し、個人はそれを行いません。

1月1日~12月31日を事業年度とする法人が2019年4月1日に開業した場合と、個人が2019年4月1日に開業した場合を例とします。いずれも4月1日~12月31日の課税売上高は900万円だったとします。

法人:900万円÷9ヵ月×12ヵ月=1,200万円<1,000万円 → 2021年1月1日~課税事業者

個人:900万円<1,000万円 → 2021年1月1日~も免税事業者

なお、個人事業主が法人化した場合、個人事業主のときの課税売上高はカウントされません。法人の設立から新たに課税事業者になるかどうかが判定されます。

社会保険

税金とは少し離れますが、関心の高いところだと思いますので簡単にご紹介します。

法人:社員の数にかかわらず加入義務があります。社長1人の会社であっても、です。

個人:従業員が常時5人以上いる場合(農林漁業、サービス業などは除く)には加入義務があります。

上の要件を満たさない個人事業主の方でも、従業員の福利厚生のために加入を希望する場合もあるかと思います。この場合は、①従業員の半数以上が厚生年金保険の適用事業所となることに同意し、②事業主が申請して、③厚生労働大臣の認可を受けることにより、加入することができます。

次回はその他の細かなポイントについてご紹介します。

今日の花

ニゲラ(キンポウゲ科、原産地:ヨーロッパ南部)

花の周りの放射状の細いものは葉です。花びらも花の中(めしべとかおしべとか)も、「繊細」という言葉を体現しているかのようです。とはいえ、そんな見た目の割には丈夫です。だからかどうかわかりませんが、花屋さんがこれを包んでくれるときに葉の付いた茎を無造作にむぎゅっと握っていて、思わず「やめて~~~」と心の中で叫んでしまいました。。。