前回の投稿「個人事業と減価償却」で、減価償却の会計処理について紹介しました。

ところで、「資産の取得価額を毎年規則的に費用に計上する」といって、「なるほど!」となりましたでしょうか?

「資産の取得価額を毎年規則的に費用に計上する」に関わる4つの考え方について取り上げます。

  • 複式簿記
  • 期間損益計算
  • 発生主義
  • 費用収益対応の原則

複式簿記

簿記とは、事業を営むにあたって日々発生する取引を帳簿に記入し、その結果を明らかにすることをいいます。

複式簿記とは、取引を帳簿に記入するにあたり、1つの取引を2つの側面からとらえて記録する方法です。

複式簿記では、取引に登場する要素を、「資産」「負債」「純資産」「収益」「費用」の5つに分けます。そして、1つの取引を、これらの要素のうちの2つ(以上)の組み合わせとしてとらえます。

資産とは

資産とは、いわゆる「財産」です。

資産は、貨幣性資産と費用性資産とに分けられます。

貨幣性資産とは、金銭そのもの、後でお金がもらえるもの、お金を返してもらえるものです。例えば、現金、預金、売掛金、貸付金などがあります。

費用性資産とは、商品として販売されることや事業のために利用されることによって事業に貢献するものです。例えば、在庫商品、土地、建物などがあります。

負債とは

負債とは、いわゆる「借金」あるいは「借り」です。後でお金を支払う必要があるものです。

負債は、貨幣性負債と収益性負債とに分けられます。

貨幣性資産とは、金銭を借りたもの、後でお金で支払う義務があるものです。例えば、借入金、社債、買掛金、未払金などがあります。

収益性負債とは、商品やサービスを提供する前に対価を受け取っており、後で商品やサービスを提供する義務があるものです。例えば、前受金などがあります。

純資産とは

純資産とは、資産と負債の差額であり、自社(自分)の正味の財産です。

以上の資産、負債、純資産は、取引により増える場合と減る場合があります。

収益とは

収益とは、利益(もうけ)を増やす要因となるものです。例えば、売上高、受取利息などがあります。

費用とは

費用とは、収益を得るためにかかったコストです。例えば、仕入高、給料、消耗品費や旅費交通費といった諸経費があり、減価償却費も含まれます。

以上の収益、費用は、取引により原則として増えるのみです(返品の場合は減少)。

減価償却へのあてはめ

減価償却資産は、「資産」のうちの費用性資産に分類されます。

減価償却費は、使用により安くなっていく「資産」の価値を、「収益を得るためにかかったコスト」ととらえたものです。したがって「費用」の一つとなります。

これをふまえて複式簿記にあてはめると、「資産」が減少し、代わりに「費用」が増える、という取引となります。

複式簿記は、あくまでも取引を記録するための方法論です。

なぜ、資産を買った時でなく、毎年規則的に「費用」が増えるのかは、他の3つの考え方がかかわっています。

次回へ続く。

今日の花

フリージア(アヤメ科、原産地:南アフリカ)

まっすぐにすっと伸びた細身の茎(写っていませんが)の先に、花が並んでついています。先端の方のつぼみはなかなか咲かせることができません。フリージアはとてもいい香りがします。花屋さんでこの香りが漂ってくると、つい買って帰りたくなってしまいます。今回は初めて日またぎの投稿になってしまいました・・・。