何かをタダでもらうと、もらって得した人に税金がかかる、ということは、何となくイメージできるかもしれません。

しかし、一定の条件を満たす場合、タダであげた人にも税金がかかります。

みなし譲渡

一定の条件を満たす場合、「タダであげた」という事実が「代金をもらわずに売った」とみなされることがあります。

これを「みなし譲渡」といいます。

あげた人(代金をもらわずに売った人)が譲渡所得を得たとみなされ、所得税が課税されます。

一定の条件

  • あげた人:個人
  • もらった人:法人(会社、宗教法人、一般社団法人など含む)
  • あげた金額:時価(通常の取引価格)の1/2未満(0円を含む)

以上の条件をすべて満たす場合にみなし譲渡となります。

課税される金額

あげたものの時価(通常の取引価格)が収入とみなされます。この収入から、あげたものを買ったときの価格(取得費)を引いた金額に対して課税されます。

もらった人の課税関係

もらった人である法人は、本来お金を支払って買うべきものをタダでもらいましたので、「受贈益」という収益を認識します。

受贈益として認識する金額は、

  • タダでもらった場合…もらったものの時価(通常の取引価格)
  • 時価の1/2未満でもらった場合…もらったものの時価と買った金額との差額

となります。

設例

例えば、買った時の金額500万円、時価1,000万円の土地について、個人から法人に次の行為をした場合です。

①寄贈した場合

個人 法人
課税の内容 みなし譲渡:譲渡所得(所得税) 受贈益(法人税)
課税される金額 1,000-500=500 1,000
説明 時価1,000万円が譲渡収入とみなされ、取得費500万円を引いた500万円が譲渡所得となる 時価1,000万円の受贈益を計上するとともに、土地を1,000万円で計上する

②100万円で売った場合

個人 法人
課税の内容 みなし譲渡:譲渡所得(所得税) 受贈益(法人税)
課税される金額 1,000-100-500=400 1,000-100=900
説明 時価1,000万円が譲渡収入とみなされ、代金として受け取った100万円と取得費500万円を引いた400万円が譲渡所得となる 時価1,000万円から支払った100万円を引いた900万円の受贈益を計上するとともに、土地を1,000万円で計上する

③800万円で売った場合

個人 法人
課税の内容 譲渡所得(所得税) 受贈益(法人税)
課税される金額 800-500=300 1,000-800=200
説明 通常の譲渡所得の計算をするため、代金800万円から取得費500万円を引いた300万円が譲渡所得となる 時価1,000万円から支払った800万円を引いた200万円の受贈益を計上するとともに、土地を1,000万円で計上する

(参考)みなし贈与

個人が個人になにかをタダであげる場合は贈与であり、もらった人に贈与税が課税されます。

では、安く売ったらどうなるのでしょうか?

設例

例えば、買った時の金額500万円、時価1,000万円、相続税評価額900万円の土地について、個人Aから個人Bに次の行為をした場合です。

①100万円で売った場合

個人A 個人B
課税の内容 課税なし みなし贈与:贈与税
課税される金額 100-500=△400→0 900-100=800
説明 通常の譲渡所得の計算をするため、代金100万円から取得費500万円を引いた△400万円が譲渡損失となるが、ないものとされる 相続税評価額900万円から支払った100万円を引いた800万円の贈与を受けたとみなされる

②700万円で売った場合

個人A 個人B
課税の内容 譲渡所得 みなし贈与:贈与税
課税される金額 700-500=200 900-700=200
説明 通常の譲渡所得の計算をするため、代金700万円から取得費500万円を引いた200万円が譲渡所得となる 相続税評価額900万円から支払った700万円を引いた200万円の贈与を受けたとみなされる

おわりに

タダであげたのに、あげた人に税金がかかるというのは、一瞬「ん?」と思うかもしれません。

しかし、価値のあるものをタダであげるというのは、一般的な経済活動からは外れる行為となります。そういう場合には、税金がかかるのではないか?と疑ってみることが大切です。

おわり。

今日の花

カーネーション(ナデシコ科、原産地:南ヨーロッパ)

今回はスプレー咲きといって枝別れして咲くカーネーションです。女の子のドレスのような柄がかわいかったです。ピンクのガーベラと一緒にいけたので、しばらくガーリーな空間になりました。