監査法人に勤めていたとき、ある先輩がおっしゃった言葉。

今、ひとり税理士をしている自分の支えになっている言葉のひとつです。

監査はチームでするもの

監査はひとりでするものではなく、通常、チームを組んで実施します。

監査法人に在籍した頃、ミニマムに近い構成の監査チームのメンバーだったことがありますが、それでも、スタッフ1名、インチャージ(現場のリーダー)1名、マネジャー(監査業務全体を仕切る人)1名、パートナー(監査上の判断を最終的に決める、監査報告書に署名する人)2名の計5人のメンバーがいました。

インチャージ兼スタッフもしくはマネジャー兼インチャージの4名のチームはあったかと思いますが、1名または2名のチームということのは記憶にありません。

監査は計画的に行いますので、チームメンバーの役割はかなり明確に決められています。監査を担当する勘定科目や取引はもちろん決められており、監査作業の結果は必ず上位者がレビューします。

インチャージ、マネジャー、パートナーは、上記のように監査全体を通じて総括的な役割を果たしますが、その中でも役割分担は明確です。

「監査はひとりでするもの」

それをおっしゃったのは、とても人当たりがよく物腰柔らかで、誰にでも同じ態度で接する方で、上司からも同期・後輩からも頼りにされ、慕われている人でした。

自分は、どちらかというと、慣れれば悪い人ではないとわかる(と思う)タイプで、同期・後輩とは仲が良かった(と思う)のですが、上司からの評価は両極端(これは断言できる)。

女性の先輩でしたので、ああいう風に柔らかに仕事ができれば、自分ももうちょっと生きやすいのかな、という憧れでもあり、見習いたいと思う対象でした。

そのイメージとこの言葉との間に大きなギャップを感じたので、とても印象に残りました。

「ひとりでする」の意味

現実にチームが存在するわけですから、「ひとり」というのは物理的な意味ではありません。

どこまで監査手続をするのか、何が明らかになったら監査証拠を得たとするのか、矛盾はないか、疑問はすべてクリアになったか、自分の見解にバイアスが(特に、問題なしとしたいという方向に)かかっていないか・・・。

チームで動くとはいえ、チームを構成する公認会計士は、一人一人が監査の専門家です。

監査の専門家として、自分がなすべきことは何なのかを判断するのも、そのなすべきをすべてしたのかどうかを判断するのも、結局は自分です。

自分を律し、自分に厳しく、自分を疑う。

これが、監査はひとりでする、ということなのかなと考えました。

孤独を感じないわけ

私はひとり税理士として仕事をしていますが、仕事の上で孤独を感じることはあまりありません。

一人っ子ですので、もともとひとりに慣れている、というのはもちろんあるでしょう。

しかし、この「監査はひとりでするもの」という言葉は、私よりも遥かにいろいろな人に恵まれ囲まれていた先輩の言葉だからこその真実味があります。

監査でも税務でも、最終的には自分との対話、自分との闘いで、「ひとりでするもの」であり、そういうものだと自分で納得しているから、孤独をあまり感じないのだと思います。

天の声のように

それだけでなく、迷うとき、もう終わりにしたいと思うとき、見なかったことにしたいよと思うとき、自分を踏みとどまらせるのは、この言葉です。

自分の良心に恥じないように仕事をするために、この言葉は私の支えとなっています。

今日の花

バラ(バラ科、原産地:ヨーロッパ・アジアの温帯))

品種不明。品種まで書いてないときもあるのです。これは書いてあったけど見損なった可能性が高いですが。。。最も美しく見える向きにいけたいと、あーでもないこーでもないと花を回してみるのですが、うずまきのようにつまった花びらを見すぎて車酔いのようになりました。。。