消費税の仕組みについてご紹介しています。

前回、

  • 消費税は最終消費者である一人一人の個人に課せられる税金である
  • ただし、一人一人の個人が国に税金を納めるわけではなく、物を買うときに、お店に支払っている
  • お店は、売上と合わせて受け取った消費税を預かっておき、国に納める
  • お店は、自らのビジネスのために物を買うときに消費税を支払っているため、国に消費税を納める際、売上と合わせて受け取った消費税と、仕入先等に支払った消費税を相殺する

という基本的な仕組みをご紹介しました。

このとき、「免税事業者」といって、国に消費税を納めることを免除される会社や個人事業主があります。

一定の要件を満たすと、「免税事業者」は「課税事業者」となり、国に消費税を納める義務が発生します。

今回は、「免税事業者」が「課税事業者」になるとどのような変化があるかについてご紹介します。

「課税事業者」になる場合とは?

「課税事業者」となる主な要件は次の通りです。

  • 2期(2年)前の売上高(消費税をつけて売ったもの)が1,000万円超
  • 1期(1年)前の期首~の6ヶ月間で、売上高(消費税をつけて売ったもの)または給与等が1,000万円超
  • 新たに設立した会社のうち、資本金が1,000万円以上等、一定の要件を満たすもの
  • 「課税事業者」となることを選択して届出をした場合

4つ目の「「課税事業者」となることを選択して届出をした場合」は少し特殊なケースですので、1つ目または2つ目の要件に該当して、「免税事業者」から「課税事業者」になった場合を前提とします。

免税事業者と課税事業者の比較

税抜の売上高3,000万円、経費2,000万円(うち、消費税がかかる経費が税抜1,000万円、消費税がかからない経費1,000万円とする)の会社で比較します。消費税率は8%、法人税率は23%、消費税の会計処理は税抜方式とします。表の単位は万円です。

免税事業者
(A)
課税事業者
(B)
差引
(A)-(B)
売上高(a) 3,240 3,000 240
経費(b) 2,080 2,000 80
利益(c)=(a)-(b) 1,160 1,000 160
法人税(d)=(c)×23% 267 230 ▲37
税引後利益(c)-(d) 893 770 123

「免税事業者(A)」の各数値は次のように計算しています。

「売上高(a)」…税抜の売上高3,000万円+消費税240万円(3,000万円×8%)=3,240万円

「経費(b)」…消費税がかかる経費:税抜1,000万円+消費税80万円(1,000万円×8%)+消費税がかからない経費:1,000万円=2,080万円

「利益 (c)=(a)-(b)」の「差引(A)-(B)」は160万円となっていますが、これは、売上高と合わせて受け取った消費税240万円経費と合わせて支払った消費税80万円160万円です。

課税事業者は、これを国に納める必要がありますが、免税事業者には国に納める義務がないため、そのまま利益に上乗せされます。

その分、法人税は課税事業者よりも多くなりますが、税引後の利益は課税事業者よりも多くなります。

これがいわゆる「益税」です。

利益だけでなくお金も、免税事業者の方がこの分だけ多くお金が手元に残ることになります。

留意点

免税事業者が課税事業者になるタイミングでは、消費税の分、利益の金額が少なくなりますので、利益予測を立てる場合には税抜の金額で予測する必要があります。役員報酬を検討する際など、消費税込では利益が出る計算だったが、消費税抜では赤字になってしまったということもありえますので、注意が必要です。

また、課税事業者になると、消費税は預かっているのみであり、いずれは国に納める必要があります。資金繰りに余裕がある場合はともかく、自分のビジネスの資金と混ぜてしまうと、国に納めることができなくなってしまうおそれがあります。このため、別の預金口座を作る、消費税用の積立をする等して、ビジネスの資金とは分けて管理するのがお勧めです。

今日の花

アスパラガス・ミリオクラダス(ユリ科、原産地:世界の熱帯・温帯(アメリカ大陸を除く))

食用のアスパラガスと属は同じですが、種は異なります。食用でない、切り花(葉ですが)として用いられるものにもさまざまな種類があります。これなどは見た目、松のようです。いけていると、パラパラとこの小さな葉がテーブルに落ちたり手についたりして、若干ストレスがたまります…。

1日1新
~1日1つ、何か新しいことをする試み

某合同庁舎