小切手。

年に1度だけ、手にする機会があります。

こればかりは銀行の窓口に持ち込まなければなりません。

小切手を受け取り、その足で自分のメインバンクの窓口へ、となると、ただでさえ重い腰がますます重くなります。

手形はまだまだ目にする機会がありますが、小切手はどうでしょう?

小切手とは

小切手とは、現金で支払う代わりに、専用の用紙に自分の名前、金額など必要な項目を記載し、取引の相手方に渡す有価証券です。

受け取った相手は、小切手を銀行の窓口に提出(呈示、という)することで、小切手に記載された金額を現金化することができます。

このとき、どこの銀行でもよいわけではなく、自分が銀行口座を開設している銀行に呈示する必要があります。

これは、小切手が有価証券であり、多くの人の間を流通することを前提としていることから、小切手を持ってきた人の本人確認が可能な、自分の銀行口座がある店舗に呈示する、ということになっています。

当座預金

小切手で支払いを行う場合は、あらかじめ、銀行に当座預金口座を開設しておく必要があります。

当座預金口座には次のような特徴があります。

  • 決済専用の口座
  • 法人、個人とも開設可能(ただし、口座開設には審査が必要で、口座開設手数料がかかります)
  • 無利息
  • 預金保険制度の対象

ビジネスで手形や小切手を使う場合等を除いては、特段、開設する必要はないでしょう。

手形との違い

冒頭の小切手の定義は、実はそのまま手形にも当てはまります。

手形と大きく違うのは、

  • 小切手→受け取ったらすぐに現金化できる
  • 手形→手形に記載されている支払期日まで現金化できない

という点です。

支払期日前に現金化したい場合は、裏書(現金の代わりに手形で支払う)、割引(銀行等に持ち込み、割引料を支払って現金化する)もいう方法があります。

会計処理

受取側

すぐに預金に預け入れずに、金庫に保管する場合は、「現金」の勘定科目で処理します。

放置するとどうなる?

小切手は、振出日から10日以内(振出日を含めて11日間、10日目が銀行休業日の場合は翌営業日まで)に銀行に呈示する必要があります。

この期間を過ぎると、小切手を振り出した側が銀行に対して支払委託を取り消すことが可能となり、支払いを受けられなくなる可能性があります。

先日付小切手

「受け取ったらすぐに現金化できる」と上述しましたが、例外が「先日付小切手」です。

資金繰りの都合がある場合など、小切手の振出日を将来の日付にすることができます。

ただし、先日付には法的効力はなく、記載の振出日以前に銀行に呈示しても、法律的には現金化は可能です。

発行側

振出日に「当座預金」を減らす処理をします。

実際に当座預金残高が減少するのは、小切手を受け取った人が小切手を銀行に呈示してからです。したがって、小切手を振り出してから、受取人が銀行に呈示するまでの間に決算を迎えると、当座預金の帳簿残高と実際残高とが相違します。

この場合、小切手の振出日に「当座預金」勘定を減額するのは正しい会計処理ですので、会計処理を修正する必要はありません。

おわりに

以前、手形の電子化のことを取り上げましたが(関連投稿:「手形の電子化」)、小切手は電子記録債権の対象とはならず、電子化するとすれば、銀行間送金、つまり、インターネットバンキングによる振込です。

振込手数料は数百円かかることがあるのに対し、小切手の振出時にかかる費用は、銀行から購入する小切手帳の1枚当たりの単価数十円のみと割安であり、インターネットバンキングへの移行がすぐに進むとは思えません。

キャッシュレスが拡大する時代ですが、小切手がなくなることは当分なさそうです。

今日の花

シャクヤク(ボタン科、原産地:中国北部・シベリア)

高級な花というイメージですが、季節になると、品種によっては、バラよりもキクよりも安く手に入るものがあります。そういえば、白のシャクヤクって間近で見たことなかったな、と咲きそうな蕾を吟味して買ってきました。3日でここまで開きました。甘い香りが漂って、幸せな空間です。

編集後記

全国銀行協会のホームページに、「学校教育や消費者教育に携わる方向け」として、さまざまな資料や教材が掲載されています。その中に、「動物たちと学ぶ 手形・小切手のはなし」というパンフレットがあります(https://www.zenginkyo.or.jp/education/free-publication/pamph/pamph-04b/download/:別のウィンドウが開きます)。「小切手の仕組み」という章は、

「リスが家を建ててほしいとキツツキに頼んだとします。」

から始まり、ペンギン銀行とかゴリラ木材が登場して、とてもなごみます。内容もとてもわかりやすくておすすめです。

1日1新

ショートカット(iPhoneのアプリの方)

「1日1新」について詳しくはこちら