会計ソフトを使い始めると、入力した取引をいろいろな形で集計することができます。

代表的な集計表は「貸借対照表」と「損益計算書」で、これを月別に集計した「月次推移表」などもあります。

損益計算書は何となくイメージがつくけれど、貸借対照表が何だかわからない、という声を聞くことが多いです。

貸借対照表とは

貸借対照表とは、ある一時点における、資産、負債、純資産の金額を示す一覧表です。

貸借対照表には2種類ありますが、よく見るのは、左側に資産、右側に負債と純資産が対照して表示される、このパターンではないかと思います。

タイトルの下の日付が「○年○月○日現在」となっていることにも注目です。これが、「ある一時点における」資産、負債、純資産の金額を示している、という意味です。

資産とは

資産とは、いわゆる「財産」です。

例えば、現金、預金、受取手形、売掛金、未収金、前払金、貸付金、在庫商品、建物、機械装置、土地などがあります。

負債とは

負債とは、いわゆる「借金」あるいは「借り」です。後でお金を支払う必要があるものです。

例えば、支払手形、買掛金、未払金、前受金、借入金、社債などがあります。

純資産とは

純資産とは、資産と負債の差額であり、自社(自分)の正味の財産です。

流動と固定

資産と負債は、次のような基準で、それぞれ、流動資産と固定資産、流動負債と固定負債とに分けて表示します。

  1. 営業活動から生じた資産または負債であるか(正常営業循環基準)
  2. 販売用の資産または製品の製造に用いる資産であるか(棚卸資産)
  3. 1年以内に入金または支払いの期限が来るか(ワンイヤールール)
  4. 営業活動のために長期間利用する資産であるか(有形・無形固定資産)

①に当てはまるのが、資産では、受取手形、売掛金、前払金など、負債では、支払手形、買掛金、前受金などがあります。

いずれも、流動資産または流動負債に分類します。

②に当てはまるのが、在庫商品のほか、製造業では製造した製品、製造に使う原材料、製造途中の仕掛品などがあります。

販売や使用までに1年以上かかる場合もありますが、区別せずに流動資産に分類します。

③に当てはまるのが、資産では、未収金、貸付金など、負債では、未払金などがあります。

全額について1年以内に入金または支払いの期限が来るものではない場合は、

  • 1年以内に入金または支払いの期限が来る金額を、流動資産または流動負債
  • それ以外の金額(1年を超えて入金または支払いの期限が来る金額)を、固定資産または固定負債

に分類します。

④に当てはまるのが、建物、機械装置、土地などの有形固定資産、ソフトウェアなどの無形固定資産です。

これらは固定資産に分類します。「あと1年で耐用年数が来る」という場合や「来年捨てる」という場合も、流動資産にすることはありません。

なお、現金、預金等については、③のように、お金になるかならないかが流動または固定の分類基準の一つですので、お金そのものである現金、預金等は、流動資産に分類します。

貸借対照表からわかること

運転資本の使い道と調達方法

運転資本とは「運転資金」と言い換えられます。

資産の方は、運転資金をどのように使っているかを示します。

  • 現金・預金のまま持っている[現金、預金]
  • 商品を仕入れたり、製品を製造したり、材料を買ったりしている[商品、製品、原材料、仕掛品]
  • 売上をあげて、代金の入金を待っている[受取手形、売掛金]
  • 建物や機械装置などを買って、オフィスや工場での生産のために使っている[建物、機械装置、土地]
  • (余資で)お金を貸している[貸付金]

といった見方ができます。

負債と純資産の方は、運転資金をどのように調達しているかを示します。

  • 取引先から後払いまたは前払いにしてもらっている[支払手形、買掛金、前受金]
  • 銀行から借りている[借入金]
  • 機関投資家や一般の人から借りている[社債]
  • 株主から出資を受けている[資本金]

といった見方です。

負債と純資産

負債と純資産の違いは、ごく簡単に言うと、返す必要があるかないか、です。

上の例では資本金のみ純資産ですが、資本金は、株主が有限責任の原則で会社にお金を入れているものですので、返す必要はありません(会社が清算するときに残った財産がある場合は返しますが、全額である必要はありません)。

開始貸借対照表

会社を設立するときに「開始貸借対照表」を作ります。設立届の添付書類として税務署にも提出しますが、ご覧になったことはありますでしょうか?

日付は、設立の日となります。

会社が始まったときは、株主が最初に入れたお金しかありませんので、「預金」と「資本金」しかありません。ここから、運転資金である「預金」を使って様々な営業活動を行い、商品を仕入れたり、商品を掛けで売って売掛金が発生したり、本社ビルを買ったり、株主から入れてもらったお金だけでは足りなくて銀行からお金を借りたり、などなどと、貸借対照表は変化していきます。

貸借対照表からわかることは他にもありますが、次回へ続きます。

今日の花

カーネーション(ナデシコ科、原産地:南ヨーロッパ)

スプレー咲きのカーネーションです。昨年のクリスマスの頃のものです。白にもいろいろな白がありますが、このカーネーションは、中心辺りが若干クリーム色がかっているものの真っ白に近かったので、クリスマスの雪のイメージにぴったりでした。