前々回、会計にはいくつかの種類があり、目的によって使い分けられるということをご紹介し、主な会計の種類として、

  • 企業会計
  • 税務会計
  • 資金会計
  • 管理会計

の4つを挙げました。

前回、企業会計と税務会計をご紹介しましたので、今回は、資金会計と管理会計の目的と特徴をご紹介していきます。

関連投稿:「基本に立ち返って…会計のこと(その1)」「基本に立ち返って…会計のこと(その2)」

資金会計

目的

お金の出入りを把握することを目的とします。

資金会計の特徴

お金のやりとりに注目

取引の2つの段階である

  1. 売る、仕事をする、仕入れる、仕事をしてもらう、といった実際の行動(行動に注目)
  2. 行動に対して料金を受け取ったり、代金や給料を支払う行為(お金のやりとりに注目)

のうち、お金のやりとりに注目します。

お金の出入りの原因別の計算

資金会計で行う計算の1つに、キャッシュ・フロー計算書があります。

キャッシュ・フロー計算書は、上場企業では作成が義務付けられている財務諸表の一つです。

したがって、会社に資金を出してくれた人や、銀行・取引先の利害関係者への説明を主な目的として行う計算です。

期首から1年間の間に、お金は様々な要因で出入りし、期首と比べた期末の現預金残高は増えていることもあれば、減っていることもあります。

キャッシュ・フロー計算書では、期首から期末にかけて現預金の増減が生じる原因となったお金の出入りを、次の3つの原因別に分類して集計します。

  • 営業活動によるキャッシュ・フロー…売上、仕入、給与の支払い、諸経費の支払い等に関わるお金の出入り
  • 投資活動によるキャッシュ・フロー…固定資産の取得、売却等によるお金の出入り
  • 財務活動によるキャッシュ・フロー…借入、借入の返済等によるお金の出入り

例えば、1年の始まりと比較して1年の終わりの現預金残高が増えていたとしても、

  • 営業活動によるキャッシュ・フローがマイナス
  • 財務活動によるキャッシュ・フローがプラス

であれば、本業でもうけが出なくてお金が足りなくなったため、銀行から借り入れを行ったために現預金残高が増えたというケースもあります。現預金が増えているからといって、必ずしも良い経営状態であるとは限りませんので、お金の出入りが生じた原因・内訳を明らかにするのです。

お金のやりくり

資金会計で行う計算のもう1つに、資金繰りがあります。

お金が入ってくる・お金を支払うタイミングは、取引によってばらばらです。それらを1つの表にまとめて、お金を支払うときに手元にお金があるかどうかを予測します。

こちらは、自分の会社・自分の事業のために行う計算です。

通常、1年の中で月別に表を作りますが、ぎりぎりでお金を回している場合は、1ヶ月の中で日別に表を作ることが必要になります。

管理会計

目的

会社や自分の事業の現状を分析し、管理することを目的とします。これは、自分の会社・自分の事業のためのみに行う計算です。

管理会計の特徴

組み替える・比率を出す

管理会計は、企業会計をベースとします。

企業会計では、経費の分類の仕方、決算書への記載の仕方などのルールが決められていますが、管理会計にはそのようなルールはありません。

簡単なものでいえば、例えば、複数の種類の売上がある場合に売上の種類別に集計することが挙げられます。

企業会計ではすべての売上の合計が「売上高」という勘定科目に記載されていれば問題ありませんが、それでは、どの売上が貢献しているかがわかりませんので、これを把握するために、売上を種類ごとに集計します。

より一般的な管理会計の例には、「損益分岐点分析」があります。

損益分岐点分析では、経費を固定費と変動費に分けます。

固定費とは売上の大小にかかわらず一定の金額が発生する経費、変動費とは売上に比例して発生する経費です。

  • 売上原価に含まれる賃金が固定給の場合は固定費へ
  • 販売費及び一般管理費に含まれる荷造運賃が商品の発送1個ずつにかかる費用の場合は変動費へ
  • 販売費及び一般管理費に含まれる消耗品費の中に商品の発送1個ずつにかかる費用が含まれる場合はその部分を分けて変動費へ

このように組み替えをします。

企業会計では、経費を売上原価、販売費及び一般管理費等に分類しますが、その基準は、売上を上げることに直接関連しているかどうかという観点ですので、売上の大小に比例するかどうかという観点とは異なります。

このように分類することにより、今が赤字である場合、あといくら売上を上げると赤字でなくなるのか、という計算ができます。

売上:変動費=1:0.3(変動費率30%)の場合、赤字140を解消するためには、140÷(1-0.3)=200の売上が必要

関連投稿:「変動か固定か(その1)」「変動か固定か(その2)」「変動か固定か(その3:最終回)」

基礎=1つ1つの取引

どのような会計を行うとしても、その基礎となっているのは1つ1つの取引です。

取引を記録する際には、勘定科目やそれをさらに細分化した補助科目に分類します。企業会計では、勘定科目に一定のルールがありますが、取引の記録を使って企業会計以外にどの会計の計算を行う必要があるのかをあらかじめ考え、それに対応できるような補助科目を作っておいたり、会計ソフトによってはより細かな分類を設定することができる場合もあるでしょう。

まず会計の目的を考え、会計の目的・ルールに即して、基礎となる取引を1つ1つ記録していくことが重要です。

今日の花

アスパラサス(マメ科、原産地:南アフリカ)

「アスパラサス」で検索すると、ルイボスティーの原料、と出てきます。黄色い花が咲き、落葉するときに葉が赤くなり、その葉をルイボスティーにするのだそうです。黄色い花も、赤くなる葉も想像がつきません。ルイボスティーは時々飲みますが、知らなければ、これを見て原料と思うことはないでしょう。不思議な植物です。

編集後記

甲子園を沸かせたルーキー、吉田輝星投手(日本ハムファイターズ)が、昨日、プロ初登板で初勝利をあげました。相手は広島東洋カープのエース、大瀬良投手。栗山監督、すごいところにぶつけてくるなあ、と思っていたのですが、かえって余計なことを考えずに、思い切って試合に臨めたのでしょうか。直球主体の堂々たるピッチングで見事な勝利でした。栗山監督の采配には、いつも感心させられます。

1日1新

瓶花 傾斜型(花瓶にいけるいけばなです。順番にカリキュラムを進めてようやくたどり着きました。全然できませんでしたがものすごく楽しかったです。)

「1日1新」について詳しくはこちら