あと4日。
税理士業界に入って6回目の確定申告ですが、いちばん早い時期から「あと○日」と数え始めた気がします。
税理士の仕事であれば「申告期限」、会計監査人の仕事であれば「監査報告書日」。
これが一つ一つの仕事のゴールといえばゴールとなります。
「ゴールといえばゴール」という言い方なのは、税理士にしても会計監査人にしても、契約が継続することが大半であり、ゴールが来ればすぐにスタートが来るためです。ゴールが来る前に、新年度の業務をスタートさせていることもあります。
申告期限に申告書を提出するのは当たり前。監査報告書日に監査報告書を提出できなかったら大変なことになります。
成果物である申告書は、規模や申告内容によるものの、決算書と合わせても、個人であれば数ページ、法人であっても数十ページ。監査報告書に至っては、連結と個別各1部。これだけ見たらわずかなものです。いずれも様式が決まっていて、作り手の個性が出るようなものでもありません。
仕事はまた続いていく。
当たり前のことを当たり前にやるだけ。
そこまでの過程にどんなことがあっても(つらくてもがんばっても)、成果物は決まった様式の薄いファイルだけ。
ゴールが来ても「達成感」を感じることはなく、それは仕事のこういう性質によるものだと思っていました。
本当にそうなのかな?
「あと○日」と数え始めた時点で、ゴールは目標ではなく、仕事を終わることができる日付となります。
もちろん、その日まで漫然と日々を過ごすわけではありません。全力を尽くします。
でも、すべてにおいて、100%絶対確実という処理ができるわけではありません。迷って、調べて、それでも明確な答えはなく、「これが最善」というその時点での自分の判断で進めざるを得ない部分が出てくることはどうしてもあります。
そういう自分の判断に絶対の自信がないから、「達成感」を感じないんじゃない?
カウントダウンを始めれば、心のどこかに、その日が来ればとにかく終われる、早く終わればいいのに、という気持ちがわいてきます。
それを叩く。その繰り返し。
そんな繰り返しの結果ゴールが来るから、純粋に「やりきった」と思えなくて、「達成感」を感じないんじゃない?
「達成感」を感じないのは、全力を尽くすと言いながらも、本当は自分の全身全霊で向き合っていないからなんじゃない?
twitterには数多く企業アカウントがあり、担当は「中の人」などと言われますが、先日、ある有名企業アカウントの「中の人」が「中の人」を卒業し、その最後のメッセージの中に「誇りに思う」という言葉がありました。
自分がもし明日この仕事を辞めるとしたとき、これまでの時間を「誇りに思う」と言えるだろうか?
必ず「達成感」を感じなければならないということもないのでしょうが、仕事の性質のせい、と片付けてしまっていいのかは、考え直さないといけないのかもしれません。
いちばんしんどくて、いちばんゴールが来るのが待ち遠しかった、今年の確定申告への反省を込めて。
今日の花
チューリップ(ユリ科、原産地:中央アジア・北アフリカ)
こちらも、八重咲のチューリップです。紫の花は好きです。つぼみは小さくてかわいらしかったのに、あっという間に開いてしまいました。開いた姿もいいですが、つぼみの時の写真を撮っておきたかったです・・・。